摘便

訪問看護師として仕事をしよう

摘便

便秘になると、便が固くなってしまって、出すのが難しいことがあります。
健康な方でも、便秘で苦しんでいる方も大勢いらっしゃいますが、長期間寝たきりになっている在宅療養者の中にも、腸管に便がたまっていることもあるのです。
このような時には、便を取り出してあげると、楽になることがあります。
これを、「摘便」と言います。

肛門の出口に硬くなってしまった便がたまっていたり、心臓疾患などでいきむことが体の負担になるにもかかわらず便が固くなっていたりするなど、自力で便を出すのが困難なときや、浣腸をしても効果がないとき、麻痺していて自力での排便が難しいときなどには、摘便を行います。
在宅の療養者にも、摘便を必要としている方も多いので、訪問看護師が摘便を行うこともあるのです。

摘便をする際には、まず、療養者や家族に対して、これからどのようなことを行うのかや、その方法について説明します。
理解を得られたら、室内の温度や換気を調整したり、ベッドにケアシーツを敷いたりして、準備を行います。
次に、摘便に適した姿勢をとってもらい、腹部や肛門周囲をマッサージして、便を出しやすくします。
それから、薄手のゴム手袋をつけた指先と肛門に潤滑油を塗って滑りやすくしてから、第二指をゆっくり肛門に入れて、便を掻き出します。

摘便を行っている最中には、痛みがないかなど、療養者に声を掛けながら行うことが大切です。
また、処置を行っている間は、体の力を抜いて、口で大きくゆっくりと呼吸してもらいます。
便塊が取れて、排便が確認できたら、便の色や量などを観察します。
最後は、肛門や周囲の皮膚についている便を拭き取るなどして、後始末をして終了となります。

摘便はこのようにして行いますが、これも、医療行為の1つとなっています。
そのため、介護職員などが行うことは禁止されているので、訪問看護師にとって、療養者をサポートする、とても重要な仕事となっているのです。